maco's 13th floor
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2003年:5月/6月/7月/8月/9月/10月/11月/12月

2003.12.28

Live At Woodstock

書けないときは仕方がないからと思ってそのままにしているとどうしても間が空いてしまうなぁ。そうしているうちに、今年もどんどん残り少なくなってきたので、このへんで「2003年の10枚」でも書いてお茶を濁すことにしよう。

・Buffalo Daughter『Pshychic』
・Date Course Pentagon Royal Garden『Structure et Force』
・Neil Young『Greendale』
・Primal Scream『Live In Japan』
・Tokyo Sex Destruction『Le Red Soul Communitte』
・Kak『Kak-Ola』
・Quicksilver Messenger Service『Quicksilver Messenger Service』
・The Stooges『Fun House』
・Tony Kosinec『Bad Girl Songs』
・高柳昌行とニュー・ディレクション・ユニット『メルス・ニュー・ジャズ・フェスティバル'80』

新譜・旧譜を問わず、今年買ったものの中から、とくによく聴いた気がするもの10枚。・・・っていうふうにして選んだら旧譜ばっかりになってしまったので、新譜5枚と再発・旧譜5枚という条件にかえて選び直したりしたんだけど。上の5枚が新譜で、残りが旧譜。一つ一つコメントするのは面倒だからしないけど、どうもギターがギュワンギュワン唸ってる音楽が多くなってるような気がしないでもない。

ちなみに、次点は、新譜ではDump『A Grown-Ass Man』とかThe Rapture『Echoes』あたり、旧譜ではMaitreya Kali『Apache/Inca』なんかが入るかんじかな。

で、今日は、Jimi Hendrix『Live At Woodstock』を聴く。「ロックの歴史」を語る際には必ず言及される「伝説のパフォーマンス」の記録だけれども、んー、たしかにこの日のジミの演奏はとんでもない熱量を帯びている。結成間もないバンドのせいもあって、この日はジミひとりで突っ走ってるところもけっこうあるけど、そのへんが逆にジミ自身のプレイのテンションの高さを印象付けてるようなかんじ。そういう意味では、ジミのギタープレイのすさまじさそのものをたっぷりと堪能できる一枚かも。

あ、ちなみに、infoを更新してあります。のぞいてみてください。よろしく。

2003.12.24

10 Minutes Older

この「悲しみ」は、どうにも語りえぬもののような気がする。時折さざなみのように寄せ来るほとんど生理的な反応のようなものがあるばかりで、ことばはほとんど意味をなさない。「意味」を超えた「現実」そのものに対して、人は何を語りうるだろうか。いまはただ「悲しい」としか言いようがない。

まー、でも、メソメソしてばかりいてもしかたないので、別の話題。というか、このへんでちょっと今後の予定について報告です。

まず、1月3日(土)、スペースシップレコードのライヴがあります。場所はマカナだそうです。新年早々ですが、よろしければ足をお運びください。スペレコは3月にもライヴ決まってるみたいですが、ま、それについてはまたそのうち。

それから、2月21日(土)にL'enfelにて「永久音楽激情vol.1」というDJイヴェントみたいなことをします。「DJ」とかいうものをわたしもしてみようかしら、というくらいの軽い気持ちで企画したもので、ま、どちらかというと内輪ノリに近いようなものかもしれないけど、それでもなかなかバラエティに富んだDJ陣を選んだつもりなので、いろんなひとに来てもらえたらいいなと思ってます。近いうちに詳細を発表したいと思ってますので、みなさんどうぞよろしく。

『10 Minutes Older』を聴く。ゴダールやジャームッシュ、ヘルツォークなんかが参加したオムニバス映画のイメージアルバムで、「人生のメビウス」というタイトルのついた前半をコンボピアノ、「イデアの森」なる後半を菊地成孔が担当。どちらもけっこういろんなタイプの曲が入ってて楽しめる。菊地パートは、かなりエディットが入ってるみたいだけど、ともかく「ジャズへの帰還」ということを鮮明にした内容で、もろに50〜60年代マイルスっぽいリリシズムを感じさせるバラード・チューンがとくに印象的かな。あと、Spank Happyの二人によるナレーションがのった「時間について」という曲で、菊地成孔のアルトと大友良英のギターによるデュオが聴けるんだけど、それがもろにカンパニー的な演奏でちょっと笑える(わたしだけ?)。

2003.12.23

Tonight's The Night

わが家の愛犬ジェシーが、昨日、息を引き取りました。13歳9ヶ月でした。いまはただもう悲しいばかりでことばもありません。冥福を祈るばかりです。

Neil Young『Tonight's The Night』でも聴くよりしかたありません。

2003.12.18

Catch Wave

小さな石をひとつ、ひろいあげてみた。閉ざされた夜の水面に、遠く、かすかなざわめき。眠っていた空が、薄目を開けてこちらを見ている。声は戻ったのだろうか。張りつめた暗やみをゆっくりと吸いこみ、まっすぐに、真夜中をひとりおよぐ。

小杉武久『Catch Wave』を聴く。寄せては返すさざなみが、意識の境界をゆっくりと溶かし、<わたし>もまたいつしか音の海をゆらめきたゆたう。これほどまでに意識/感覚の拡張そのものとしてあるような音の姿は他に類を見ないかもしれない。

2003.12.12

The Modern Dance

昨日あたりから2軒隣にあった古いアパートの解体がはじまっている。昼間、部屋にいたら、重機の駆動する低く鈍い持続音と、建築物が崩壊してゆくバリバリという音が、独特のアンサンブルとなって聞こえていた。ここ数年住む人もなく、半ば廃墟の雰囲気を醸し出していたのだが、すでにそこは単なる残骸の山と化して、それも少しずつどこか別の場所へと運び出されている。幾日もしないうちにそこはのっぺりとしたからっぽの土地になるだろう。そのあとにこの場所がどうなるのかまだわからないが、いずれにしろ、そこにかつてあったものはきれいさっぱりとその姿を消す。何十年かの時間と人々の記憶との堆積であったなにものかがその場所からなくなろうとしているのだ。それは、ひとつの「終わり」であり、そして、また同時に、なにがしかの「はじまり」でもあるのであった。

Pere Ubu 『The Modern Dance』を聴く。昼間の残響が、ガラスの砕け散る音が鳴り響く「Sentimental Journey」を呼び寄せたか。そして、折り重ねられていく音の襞の絶妙さにいまさらながら感服。

2003.12.10

The Sea To The North

そのことそのものに対して、Yes/Noを明確にできるだけの材料を、いまの時点でわたしは持ち合わせていない、と思う。しかし、それは、逆に言えば、少なくとも積極的にそのことを肯定するだけの根拠が示されていない、ということかもしれないとは思う。そもそも、なぜそのことが必要なのか、何のために彼らはそこに行くというのか。空疎な「大義」ではなく、その内実が具体的に示される必要があるだろう。実際にいまそこでほんとうに求められているものは何なのか、その具体的な内容に照らして検討されない限り、彼らが行くことの必然性は説明されえないような気がするのだけど。

だから、問題なのは「安全か危険か」というようなことではない、という気がする。そもそも、極端なことを言えば、あの摩天楼でさえ「安全」とは言えない時代に、「危険」ではない「場所」とはいったいどこなのだろう。むしろ、何が「危険」を招き寄せるのか、その構造が根本的に問われないと意味がないような気がするのだけど。はてさて。

しかし、いつの間にか、髪がちょっとのびてきた。机に向かっていると、とくに左の前髪が落っこちてきてジャマ。髪のクセで、のびてくるといつもそうなる。ひさしぶりに髪をとめるピンを使うようになっている。そして、予想通り、昨日のタイヤ交換の影響で腕や腰が痛い。ううう。

Garth Hudsonの『The Sea To The North』を聴く。あらゆる音楽を飲み込んだ奥の深い世界。ジャケなども含めて、ロバート・ワイアットを連想させるところがあるけど、こちらのほうがゆったりと穏やかで個人的には聴きやすいような。

2003.12.9

Soup

ようやくタイヤ交換。いつも自分でやってるんだけど、今日は少し丁寧にやったらいつもよりちょっと時間かかってしまって、すっかり身体が冷えてしまった。もっと暖かいうちにやっておくんだったぜ。

大友良英/Bill Laswell/芳垣安洋の『Soup』を聴く。なんだか単なるのんべんだらりとしたセッションアルバムっぽいかんじだけど、でもさすがに白熱したインタープレイを聴かせてくれるところもあるので、全体としてはまあまあそこそこってとこかなぁ。大友氏のギターはもうちょっと炸裂してくれてもよかった気がする。

2003.12.6

Smoking Blues

最近一部でけっこう人気のある某大学教授のHPをのぞいて、日記の過去ログを少しまとめ読みしてみた。ざっとながめてみただけで咀嚼できてるわけじゃないから、おもしろかった、というような判断停止の感想しかいまは出ないけど、ちょっとしたディレクションにはなったかしら。とりあえずは、スピードが大事、っていうことですか。あは。ま、その日記に書かれてることそのものとはあんまり関係ないんだけれども。

フリーボの『Smoking Blues』を聴く。これも先週サウンドユーで購入したもの。いまごろっていうのもなんですが、アルバム買うのは初めて。突出した個性がないのが惜しまれるところだけど、骨太のルーツロック的なサウンドを聴かせる本格派バンドではあると思います。個人的にはとくに石垣窓の粘っこいギターにばかり耳を傾けてしまったりする。

2003.12.3

なましびれなまめまい

NHK-FMのライヴビートという番組にスパンク・ハッピー(とイルリメ)が出ていたので聴いていた(&録音した)のだけど、今日の内容そのものよりも、次の収録の内容のほうが圧倒的に気になってしまった。だって、渋さ知らズをバックに冠二郎と遠藤賢司がうたうんだってよ。なんですかそれは。放送は年明けのようだけど、これは絶対聴き逃さないようにしなくっちゃ。

今日はゆらゆら帝国の『なましびれなまめまい』を聴いてました。買ってすぐは音悪いのが気になってあんまり聴いてなかったんだけど、どうやら周囲の評判がいいようなので聴き直し。うん。音の悪さはそんなにでもないか。でも、やっぱりいまひとつ熱狂しきれないのは、それはこちらの心境の問題かしら。確かにあらためて聴くと演奏はすごくよいんだけど。んー、なんだろうなぁ、この煮え切らなさは。

2003.12.2

Vendome, la sick KAISEKI

ことばというものがすべからく外部からやってくるものである以上、アウトプットすべきことばが見つからないなんてことを嘆いている暇があったら、その間にちょっとでもインプットを拡充することを考えるほうがはるかに生産的なことだろう、なんていうあまりにも初歩的なことにいまごろあらためて思いを致している、という現状にげんなりするばかりの師走のはじめ。それでも、いまだかたちを成さない何ものかに向けて、とりあえず、あれこれと手持ちのことばを投げつけてみるということにもささやかな意義はあるかもしれない、などとゴニョゴニョ思いながら。ま、ヘタの考え休むに似たり、ではあるんだけれども。しかし、いつまでも同じところをグルグルまわってるなぁ。ムムム。

ああ、うっとうしいことこの上ないかんじになってしまってるけど、そんなときだからこそ、楽しみな話が耳に入ってくるのは嬉しいことで。まだ全然ちょっとそんな話があるというだけだけど、実現するといいなぁ。たとえ一年に一回とかのことであったとしても、そういういい話が出てくるというのはいいことなんじゃないかしら。さてさて。

いつの間にかすっかり菊地成孔関係のものを追っかけるようなかんじになっちゃってるけど、今日はSpank Happyの新作『Vendome, la sick KAISEKI』を、やはり、買ってしまいました。サウンド的には、前作以上に80年代っぽいディスコティークな色合いが強まってるかんじで、それはいいと思うんだけど、ただ、曲として印象に残るのはあんまりないかもなぁ。ムム。でも、わたしは岩澤嬢の声がけっこう好きなので、その声で歌われる「Physical」のカヴァーなんかはなかなかよかったです。あとは、ところどころでブーブーいってる菊地氏のサックスが素敵です。うん。

2003.12.1

Travelling On A Cloud

できるだけ明晰なことばで語りたい、と思うことがよくある。論文を書く、だとか、予備校で教える、なんていう局面に日常的に置かれていると、それはけっこう切実に求められるものであったりもする。というより、そういうのって、わりと一般的に見られる種類の欲望、でもあるかもしれない。でも、そう思うのと同時に、「明晰なことば」でなんか語れるはずがない、というふうな思いもしないではない。わたしたちが投げ込まれている世界は、「明晰なことば」によって語られるようなくっきりとした輪郭をもったものでなんかありえない。わかりやすい、すっきりとした語り口が、その裏で切捨てたり排除したりしているもののほうにこそ、いわば「ほんとうの世界」のようなものがあるのではないか。なんていうふうに。…と、ここまで書いて、自分がいまことばを与えようとしているものがどのようなものなのか、どうもつかみ損なっているようだということに気づいてきた。人間が認識できるのは、ことばによって分節化された世界だけなのだから、とにかく、できるかぎり多くのことばを積み上げていくことで、少しでも自分と世界とにかたちを与えていく努力をつづけていくしかない、ということだろうか。なんだか躓きぎみ。なんでこんなこと書き始めたのかしら。ま、いいや。そんなこんなで師走に突入。

シアトルの、ではなく、60年代UKのほうのNirvanaの『Travelling On A Cloud』を聴いています。土曜日にサウンドユーのセール品のなかから掘り出してきました。ISLAND時代(67〜69年)のベスト盤だそうですが、ストリングスやコーラスに彩られたドリーミーなポップ・サイケというかんじで、ほんわかと気持ちよくなります。わたしの場合、サイケというとわりとアシッドでダウナーなもののほうに行きがちなんですが(苦笑)、たまにはこういうのもいいですね。っていうか、けっこう愛聴してたりします。はい。



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