maco's 13th floor
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 2004年:1月/2月/3月

2004.3.31

The Tripだいぶ間隔が空いてしまいました。とくになにか理由があって更新しなかったというわけではなく、なんとなくそうなってしまったのでした。気づけばもう明日から新年度だよ。まったくもう。

さて、更新してない間には、tdsgkさんの引越しの手伝いとか、予備校の春期講習とか、いかりや長介の訃報とか、その他なんやかんやあったけど、全体としては春のうららかな日差しの中でのんびりとおだやかに暮らした気がする。ま、のんびりしすぎたためにお金がなくなってCDを売りに行ったりもしたけれども。

お金はないんだけど、南吉成のハードオフのジャンク品コーナーになかなか渋いカシオトーンがあったので買ってみた。電源ケーブルとあわせて税込1260円なり。一部死んでる機能もあるけど、鍵盤はちゃんと全部音出るし、独特のチープな音色もなかなかいい。リズムもちゃんと鳴るし、けっこうめっけもんだった気がする。「Casiotone 405」と書いてあるけど、いつごろのものなんだろ。ちなみに、ちょっと学校のオルガンを思わせる外観はこんなかんじ

The Electric Flag『The Trip』('67)を聴く。ピーター・フォンダやデニス・ホッパーが出演している、その名もズバリなトリップ映画(未見)のサントラ。マイク・ブルームフィールドやバディ・マイルスらによるエレクトリック・フラッグが、オールドタイミーなブルーズやラグタイム風の演奏から、フリーキーなバッド・トリップ・サイケまで聴かせてくれて、30分くらいしかない短いアルバムだけど、なかなか楽しませてくれる。ちなみに、フリッパーズ・ギターが『ヘッド博士の世界塔』で「Flash,Bam,Pow」というバッド・トリップな曲を引用してるらしく、そういうことでも有名なアルバムらしい。それから、エレクトリック・フラッグというバンドに関して言うと、個人的にはボブ・ノトコフというバイオリンの人が参加してるのも見逃せない。この人は、クレイジーホースの前身であるロケッツというバンドにも参加していた人で、ニールヤングとクレイジーホースがはじめて組んだ「Everybody Knows This Is Nowhere」というアルバムにも参加してる人なのです。こんなところでつながってるとは。



2004.3.19

Electric Mudわが家の庭に冬眠から覚めたカエルさんがおりましたが、さすがにまだちょっと寒いと見えて、かなり動きが鈍かった。昨日今日あたりの気温のかんじだと、もしかしたらまた土の中にもどったりしてるかな。もうあとほんのちょっとのところで、季節は、春。

『ミュージックマガジン』最新号の特集は「ブルースの101年」らしいけど、表記はさすがに「ブルース」なのか。MM誌って、「アクースティック」だの「ピーター・ゲイブリエル」だのといった、英語本来の発音に忠実な表記にこだわるライターが多いイメージだったから、「ブルーズ」って書いてくれるかなーとなんとなく思ってたけど、これは一般的な表記に従うのね。ま、べつに「ブルーズが正しい!」とか声高に主張したわけではなくて、単なるお約束のツッコミ。こういうのは基本的に趣味の問題だと思うし、もちろん一般的には「ブルース」のほうで流通しているわけだから、それについてとやかく言うつもりはありません。

ただ、個人的には「ブルーズ」と言ったほうが、「悪魔に魂を売った音楽」などと言われたりもするその音楽の持つ魔力や猥雑さや悲しみやといったものが伝わるように思えて好きかもしれない。自分の中では、「ブルース」っていうとどうしても「淡谷のり子」とかそういう日本のもののイメージだし。ま、そんなのまったく根拠のない勝手な印象でしかないし、だいたいにして、わたしなんかが「ブルーズ」について語るのもおこがましい話なのだけどね。

しかし、考えてみれば、「アコースティック」とか「ブルース」とかいう、英語本来の発音からちょっとズレるような発音って、どういうなりゆきで定着したのかしらね。必ずしも具体的に記述できるものとも限らないけど、ちょっと気になるかもしれない。

Muddy Waters『Electric Mud』を聴く。我が家でブルーズっていうとこういうのになってしまう。68年という時代を反映して、ファズやワウをかましたギターサウンドとファンキーなビートが印象的なアルバム。73〜75年のマイルス・デイヴィスのいわゆる「アガパンバンド」を牽引した怪人ピート・コージーが参加しているので、のたうちまわるファズ&ワウギターはおそらく彼によるもの。



2004.3.15

Super Novaというわけで、土曜日のライヴをもちまして、スペースシップレコードは活動終了いたしました。いままでどうもありがとうございました。そのスペレコ最後のライヴの内容についてはとくにふれませんが(笑)、その日に『White EP』というのがリリースされました。手前味噌ながら、これはけっこうよくできているような気がします。とくにギターの音がいいね(をこ・しれもののたぐひ)。

『ユリイカ』の最新号「特集*論文作法 お役に立ちます!」を読んでいる。切実な問題として藁にもすがるような気持ちで読んでいる、…というつもりはあんまりなくって、ある種の「楽屋裏トーク」のようなかんじで楽しみながら読むものと勝手に判断している。蓮実重彦や高山宏といった大家から、ともに71年生まれの北田暁大、増田聡あたりまで、人文・社会科学の研究/批評の世界ではそれなりに名の通った人たちが名前を連ねているので、なかなか面白そう。で、とりあえず、一番面白そうな高山宏から読み始めたんだけど、のっけから「自分にはどうしても「論文」の観念が、ない。」ってはじまって、いつものように高山節全開。高山学のエッセンスと楽屋裏の「事情/情事」とが巧みに縒り合わされた縦横無尽のディスクールを堪能。「女のため」に書くんだそうで。ははは。ちなみに、「紛糾中の都立大改革」の渦中にあるだけに「都知事石原なにがし」への呪詛のことばがくりかえし出てくるのも印象的だった。さて、国文学系の人たちのも読まないとな。面倒だけど。

Wayne Shorter『Super Nova』を聴く。あのMiles Davis『Bitches Brew』の録音への参加から一週間後に録音されたアルバムだけど、マイルスとはまたちょっとちがったかたちで「ニュー・ジャズ」を提示して見せている傑作。疾走する「Super Nova」も、静謐な「Swee-Pea」も、独特の神秘的なムードとフリーキーな演奏、そしてショーターの軽やかなソプラノサックスが印象的である。



2004.3.11

Sowiesoso二日間、家から一歩も外に出ないで過ごしてしまった。何をしていたというわけでもなく、ただパソコンと携帯とテレビの画面を眺めているうちに時間が過ぎたかんじ。本を読むことすらほとんどしなかったような。ううう。

で、先週録画しておいた「たそがれ清兵衛」を見てみたんだけど、わりと面白かった。生活の細部を丹念に描いていくところもなかなかいいし、後半の緊迫感ある展開もついつい引き込まれてしまった。クライマックスの場面の壮絶な死闘は圧巻で、そこはとくに清兵衛の敵役を演じた田中泯の怪演が光る。舞踏家ならではあの身体表現はやっぱりすごいと思った。ま、いろいろ含めて、「あー、<日本映画> を見たなー」って思いましたが。さて。

Cluster『Sowiesoso』を聴く。静かな海のような音楽だと思う。独特のやわらかな電子音が、静かに打ち寄せるさざなみのように、心地よく響く。トータスの新作を聴いてるうちに、なんとなく「クラスターっぽいかも」って思う部分があったので、聴いてみました。

ちなみに、クラスターとの対比でトータスの新譜を聴き直せば、アルバム全体が非常にドラマティックなつくりになっているという印象が強まる。晴れ渡った穏やかな日もあれば、雷鳴が轟き激しく雨がたたきつけることもあるし、深夜の大都会を疾走しもすれば、広大な原野に佇んでみたりもする、というような。そんなふうに考えると、ジャケットのデザイン ― 夜と昼、現代と古代、文明と自然、といった相対立する時間と空間が一つの画面の中に描きこまれている ― もなかなか象徴的なのかもしれない。



2004.3.6

It's All Around Youいわゆる「ロックバンド」の「カッコよさ」を測定する指標はさまざまで、聴く人によって異なるだろうし、個々のバンドの音楽性や演奏スタイルなどによっても違ってくるものだけど、やっぱり「ドラムの鳴りかた」というのは非常に大きな比重を占めるもののような気がする。フィルがビシッと決まる、とか、バスドラがドスッと響く、とかいうことが、そのバンドの魅力を支えているということが少なからずあると思うし、もっと言えば、曲の最初のスネアの一発がバシッと決まったその一瞬だけで、そのバンドの演奏にグッと引き込まれてしまう、ということがあるんじゃないだろうか。

ま、そういうのはなかなか意識してできるということでもないし、はっきりと示せるものでもないかもしれないけど、今日たまたま見たバンドの演奏がカッコよかったので、そんなことをちょっと思ってみたりした。ドラムがとってもカッコよかったのね。それこそイントロの一発だけでシビレるっていうようなかんじで。もっとも、そういうことと、総体としてのバンドそのものを好きになれるかどうかということはまた別の次元の話だったりもするのだけど。んー。

Tortoise『It's All Around You』を聴く。3年ぶりの待望の新作。繊細な抒情性も豪快さも併せ持った独特のハードボイルドな質感はさらに深みを増した印象。非常にセンシティヴで心に染みる音が溢れているように感じられる。「音響」とか「ポスト・ロック」とかいうことばはいまやすっかり手垢にまみれて過去の遺物となってしまった感があるけど、そういう皮相な流行り廃りとは関係なく、彼らは自分たちの音楽を深化させているみたいで、そういうのはとても素敵なことだと思う。



2004.3.3

If You Lose Itなんだか今日の午後、携帯に迷惑メールが7〜8本ぐらい立て続けにきたぞ。なんなんだいったい。

今日は大学の研究室の予餞会。卒業・修了する人のお別れ会のことだけど、今年は四年生の出席率が低くてちょっとさみしげ。ま、それはともかく、とくにM2の連中というのは、もともと一個下の後輩にあたるので、けっこうな年月を同じ研究室で暮らし、ともに勉学に励み(あんまり励んでないけど)、時にはともに遊んだ(よく遊んだなぁ)わけで、そういう人たちとの別れはそれなりに感慨深いものね。でも、そんなこんなで今年もまた新しい春が来るっていうことか。んー。

あ、ちなみに、わたし自身のことは聞いちゃダメですよ。ははは。

Last Days Of April『If You Lose It』を聴く。今日たまたまタワレコの店内でかかっていていいかんじだったのでよく知らずに買ってみた。どうやら、スウェーデンのバンドで、一般には「エモ」とか言われたりしているようで、そういう意味ではわたしなんかとはけっこう縁遠いかんじなのかもしれないけど、まー、そんなことはどうでもいい。心惹かれたものには素直に反応するというだけのこと。ともあれ、甘酸っぱい泣きのメロディを聴かせるギター・ロックで、ヴォーカルの声のちょっと中性的なかんじも非常に魅力。個人的にはヨラテンゴとかマイブラあたりにつながる感覚で聴いてるんだけど、さて、どうかしら。



2004.3.2

Gandalfなんとなく画像の位置を変えてみたけど、ま、大した変化ではない。ただ、こっちのほうがスペース効率はいいのかな、っていう。

それから、infoを更新。とはいえ、とくに情報が増えているとかいうわけではなく(むしろ減っているぐらい)、単に3/13のスペレコのライヴ情報を上にしただけなのだけれども。ま、とくに新たな情報みたいなのは入ってきておりませんが、スペレコはその日に新しいシングルが出る、…のかな。たぶん出る、ような、そんな気が、しないでもない、みたいな。えーと、ま、ともかく、そんなかんじでよろしくです。

Gandalfの『Gandalf』を聴く。「メロウ・サイケ」などとよく言われているけれども、なるほど、マイナーを多用した過剰と言ってもいいほどのメロウネスがテンコ盛り。エコーたっぷりのボーカルが朗々と歌い上げ、ストリングスやオルガンやファズギターが極彩色の幻想的なサウンドを織り成していくさまは、60年代後半のサイケデリック様式のポップでカラフルな側面における一つの極点と言ってもいいのかもしれない。



2004.3.1

Feels Like Home何の気もなしに友人のサイトの過去ログを眺めてみたら、予想以上に見た記憶のない記事が多くって、ついついどんどんスクロールしてしまった。あるいは、実際には見ていたものもあるかもしれないけど、そのときにはなんとなく読み流していたものが、いまとなってみるとそれなりに行間が埋まって、「意味」がせり上がってきたということかもしれない。点と点がつながっていくつかの線が見えてくるというか。

日頃巡回しているブログだとか日記系のサイトなんかは、リアルタイムではけっこう断片化されたテクストとして、場合によってはその意味が判然としないままに読み流してしまったりもしがちだけど、ときどきふりかえってまとめ読みしてみたりすると、けっこうそれぞれの生活史みたいなものが垣間見れておもしろいのかもしれない。

さて、このサイトはどういう楽しみを読者に提供できているかしら。はなはだ心もとないかんじしかないのだけど、まー、しょーがないか。自分のできることしかできないもんね。

Norah Jones『Feels Like Home』を聴く。まだそんなに聴きこんではいないんだけど、基本的に前作と大きく変わるところはないような気がする。あえていえば、前作よりもジャジィなニュアンスがやや後退して、しっかりと大地に根を張ったかんじが強まってるようなところがあるかも。この老成具合はいったい何なのかしらって思ったりしないでもないけど。ともかく、ゆったりと穏やかに心に染みる音楽を提供してくれてます。





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