maco's 13th floor
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 2004年:1月/2月/3月/4月/5月

2004.5.31

Made To Love Magic蒸し暑いなー、やだなー、うー、とか思ってさっそくエアコン入れたり、薄着でねっころがってたりしたら、あうー、もしかして風邪気味かもしれない。鼻とのどの調子が微妙。暑くなってから風邪引いたりしたらサイテーよね。気をつけなきゃ。

金曜日。午後、大学で指導教官との軽い(?)面談のようなものをこなした後、いがらしと合流して県民会館へ。えー、何かと言いますとですね、UAのライヴに行って参りました。じつは、そのー、お目当てはツアーメムバーとして参加している菊地成孔氏だったりするのですけれども。仙台では生で菊地さんに会う機会がなさそうなので行ってしまいました。他のメムバーも、外山明とか、内橋和久とか、なかなか一筋縄ではいかない人たちで、菊地さんの演奏だけでなく、全体としておもしろいライヴだったと思うし、UAもなかなか魅力的でした。行ってよかった。っていうか、ライヴの後、舞い上がったわたしたち二人が出待ちをしたうえに仙台駅まで菊地さんを追っかけたなんてことは大きな声では言えません。

Nick Drake『Made To Love Magic』を聴く。近頃リリースされた、完全未発表曲含むレアトラック集。ニック・ドレイクのうたは、どこか心の深い部分にじっくりと染みこんでいくかのような感覚があるけれども、そのあたりの魅力がよく伝わる一枚になってるように思う。音質もすごくいいし。



2004.5.27

Johnny Winter And / Live水曜日もまた大学の授業がある日。『源氏物語』の「総角巻(あげまきのまき)」のなかに「李夫人」という中国の漢詩が引用されているところがあって、その場面が物語の展開の中でどのような意味を持つかということについて分析した論文が提出されて、それについて検討。大君(おおいぎみ)という人物の死へと傾斜していく意識を強調する発表者の読みに対して、それでは「李夫人」が引用されていることの意味が説明されないという批判が差し出されていた。授業の後は、小研。テクストは谷崎潤一郎の「青塚氏の話」という短編で、若くして死んだ映画監督が、彼の映画に主演する女優でもある妻宛に残した遺書の中で、自分の生きる気力を奪ったある奇怪な出来事について告白するという話。いかにも谷崎的な倒錯した世界が、探偵小説的とも言えるような構成で描かれていて、読み手を惹きつける。バイトの都合で途中退出してしまったけど、後半になるにしたがって徐々に強まっていく触覚を中心とした濃密な身体性の問題がもっと読み込まれてもよさそうな気がした。

木曜は授業もバイトもない日。借りたい本があって太白図書館まで足を延ばしてみたら、なんと!第四木曜日は休館日と書いてあるではありませんか! くぬう。しかたないので、286を爆走して鈎取の万葉堂という古本屋までさらに足を延ばしてみたら、なんと!中原昌也らしき人に遭遇! たぶん領収書切ってもらってたんだと思うけど、「中原です」と名乗ってる声が聞こえて何気なくレジの方を見たら、あの風貌は! 「な、な、」とか思ってかたまってるうちにすぐ出て行ってしまったので確かめることもできなかったけど、あれはたぶんそうじゃないかなぁ。なんで仙台にいたのかわかんないけど。こんな偶然もあるのかと思いつつ。

Johnny Winter And『Live』を聴く。「100万ドルのブルース・ギタリスト」などと呼ばれたジョニー・ウィンターが1971年に発表したライヴ盤の名作。ブルーズやロックンロールのカヴァーを中心に、とにかく全編弾きまくる弾きまくる。リック・デリンジャーとのギターバトルも含めて、熱い、というよりも暑苦しいまでの白熱したギター・プレイが圧巻の一言。高校のときからの愛聴盤なんだけど、いつ聴いても血湧き肉躍る、紛う方なき名盤だと思う。



2004.5.25

A Guess At The RiddleいいロックTシャツがあるよ、とかいうことをだいぶ前に某バンドメムバーに吹き込まれていたので、日曜日にVirginに行ってみた。たしかにけっこういいのがあったので、ついつい2枚ほど買ってしまった。なんかやられたってかんじだけど、ま、いいか。でも、一枚はサイズがちょっと小さかった。ラスト一枚だったので、ひとつ下のサイズだけどなんとかなるかなって思いながら買ってみたんだけど、んー、ちょっと微妙。ま、着られないことはないんだけど、ちょっとなぁ。うむむ。

さて、最近はわりとまじめに大学に行っているけれども(苦笑)、火曜日は大学院の授業がある日。火曜日の授業では、今年度は日本文学と外国文学とのかかわりについて考えているんだけど、今日は先輩の発表で、芥川龍之介の「女」というあまり知られていない5ページほどの掌編が、『ファーブル昆虫記』の中の「かにぐも」というクモについて書かれた章を下敷きにして書かれているという話。『ファーブル昆虫記』を日本で最初に訳したのはあの無政府主義者の大杉栄だったということとか、これだけ人口に膾炙しているのは日本だけだということとか、そもそも西洋における昆虫学というものは害虫駆除や疫病対策を目的としてはじまったもので、古くから虫をめでる伝統のある日本とは昆虫に対するまなざしのありようがずいぶん異なるんだっていうこととか、いろいろといままで知らなかったり、あまり考えたことのないような話が出てきていたので、それなりに面白く聴いていた。聴くだけじゃなくて議論にも参加しろってかんじだけどさ。

David Grubbs『A Guess At The Riddle』を聴く。今月はわりと新作が多いかしら。さらに円熟味を増したグラッブスさんのうたといい、チェロをフィーチャーしたことなどによってアクースティックな手触りが強まったサウンドといい、ますますわたしの琴線を震わせてやまない仕上がりになってると思う。まだ今日買ったばかりだけど、前作・前々作に引き続き愛聴盤になりそう。



2004.5.20

Ascensionけっこうあちこちで話題になってるけど、JASRACの著作権料徴収額が過去最高の約1094億円だったそうな。ちょっと気になったので、JASRACのホームページをちょこっとのぞいてみる。5/19付のプレスリリースによると、CDからの徴収額は前年度比91.6%で5年連続減少だが、DVD・カラオケ・着メロなどの伸びが総額を押し上げたということらしい。徴収額の表を見ると、実際の数値がわかってなかなか面白い。気になるのは、前回(2002年度)の表と見比べると「インタラクティブ配信」の項目が大して伸びてないこと(前回の前年比191%に対して今回は前年比107.3%)。ま、内訳で90%以上を占めるのが着メロのダウンロードによるものという現状ではすでに頭打ちでもムリのないことで、今後ネットによる音楽配信の動向っていうのがここに大きくかかわってくるっていうことなのかな。

えーと、こういった方面についてはまったくもって疎いので、とりあえずたんに自分が「ふーん」って思ったっていうことだけなんだけど、ここに音楽産業全体の状況と著作権ビジネスの動向、その中でのJASRACの位置づけといった座標軸が入ってこないと、どう考えたらいい話なのかはちょっとよくわからないというところなのかな。いろいろややこしそうな世界なのでなかなか入って行きづらいかんじだけれども、きっとCCCDとか輸入権の話ともリンクしてくることなんだろうなぁって思うと、とりあえずちょこっとは関心が出てきたりして。うーむ。

John Coltrane『Ascension』を聴く。Elvin Jonesに哀悼の意を表して。…って、そういう意味で聴くアルバムとしてはどうなんだってかんじだけど、現時点でうちにあるコルトレーンのCDはこれ一枚だけなので。ははは。でも、いまあらためて聴くとそんなに間違ってない気もする。実はかなり久しぶりに聞くけど、これはなかなか美しいアルバムだったんだなぁ。昔はよくわからないアルバムだと思っていたけど、おなじみのElvin‐Jimmy Garrison‐McCoy Tynerのリズム隊はそんなにフリーでもなくふつうにテンションの高い演奏だし、トレーン以下のホーン隊も単に野放図な垂れ流しの即興ではない抑制の効いた格調高いインタープレイを繰り広げていて、全体としてもきわめてスリリングなアルバムではありませんか。うーん、18〜19歳の頃に買ったアルバムがいまごろになって魅力的に聴けるようになるっていうのも不思議なものですが。



2004.5.19

Bringing It All Back Homeようやく大学の授業が本格的にはじまる。火曜日の授業では、初期川端康成の批評活動とクローチェというイタリアの美学者とのかかわりについての発表があり、それについての検討が行なわれる。わたしなどは迂闊に口を出しかねる話だったけど、ドイツ表現主義やダダイズムの日本における受容という話にも展開したりして面白く聴く。水曜は、「小研」という時代ごとに分かれた学生だけの集まりで、自分が軽く発表をする。「映画/文学」という通年テーマについてのガイダンスの担当がなぜか回ってきたので、とりあえず映画の誕生前後の視覚の変容と萩原朔太郎の詩との関係についてたどたどしく喋る。相変わらず話がヘタなのね。たぶんあの話では自分よりもよく話のわかってる人でないと通じなかったと思う。反省。

Bob Dylan『Bringing It All Back Home』を聴く。ディランがはじめてエレクトリックなロック・サウンドを取り入れた、記念碑的な65年のアルバムなわけだけれども、いまの耳で聞けばきわめてアクースティックな肌触りで、むしろそういう質感が非常に好きだったりする。名曲も多いし、ディランのヴォーカルのかんじも好きなアルバムで、中学の頃からの愛聴盤。思えば、はじめて「Subterranean Homesick Blues」を聴いたときは、「荒井注みたいな声だなぁ」とか思いつつ、とにかくそのまくしたてるような独特の歌い方に衝撃を受けながら聴いたものでした。「Bob Dylan's 115th Dream」の冒頭部分も衝撃だったけど。



2004.5.17

'Round About Midnight土曜日は15人編成のyumboを見にジャンクボックスへ赴く。yumboは見るたびに変化していって面白いんだけど、今回も堪能。後半はメムバーのみでの演奏だったけど、それでも、なんというか、少しアンサンブルがどっしりしてきたような気がした。単にPAとかの問題ではなく、澁谷さんがベースに専念するようになったりして、全体の組み立て方が少しシフトしてきているのかな、なんていうふうに思ったり。それから、新メムバーの渡邊哲雄さんという人のギターがいぶし銀なかんじで非常によくって、またyumboを見る楽しみが一つ増えたかんじ。いやー、ああいうギタープレイはあこがれるなぁ。わたしにはできないだけに。

考えてみると、ジャンクとかに行くのってけっこうひさしぶりかも。見たことないバンドとかもあったのでわりと残ってたけど、それなりに意欲は感じさせるイヴェントだったような気が個人的にはした。ただ漫然とバンドが出てくるだけにはならないようにしてたみたいだし、好き嫌いの問題を抜きにして言えば、そういう点ではそれなりに楽しめたかもしれない。

Miles Davis『'Round About Midnight』を聴く。ここんとこなんとなく夜はこればっかり聴いている。とくにわたしなんかが言うべきことはないようなアルバムだと思うけど、夜の静けさの中でただ心静かにジャズに浸りたいときには、これほどふさわしい音楽はない。何も考えずただただマイルスのミュートに耳を澄ませるだけです。



2004.5.13

花とおなじまたしてもずいぶん間が空いちゃってるので、とにかくムリやり更新だ。ちょうど13日だし。

13といえば、「13th floor」で日本語のページをGoogle検索すると、上から2番目にここが出てきちゃうのね。ほぇ〜。ちょっと吃驚。ま、そんなキーワードでググる人がどのくらいいるのかわかんないけど。

さて、近況はというと、えーと、大学院の授業がまだ本格始動してないので(笑)、ここんとこちょっとなしくずしに生活リズムがグダグダになってるかんじだけど、ま、適当にちょこちょこと論文や本など読みながら過ごしております。最近は大正期の文学と映画のかかわりなどについて勉強中なので、キートンとかチャップリンあたりの映画が見たいなぁとか思いつつ、どうしてそういうことはゴールデンウィークとかのうちにやっておかないのかという気もしないではない。うーん、そんなこといまさら言ってもしかたないか。とほほ。

あ、そんな中ですが、レイジーホースも地味に活動しております。しかし、お披露目ができるのはいつのことになるかなぁ。はてさて。

渚にて『花とおなじ』を聴く。これもまた約3年ぶりの新作だけど、もう何も言うことはないくらいに彼らの世界が広がっているかんじ。いまや情念のほとばしりも炸裂するファズギターもなく、すっかり力の抜けきったおだやかな音楽になってるんだけど、それでいてほのかにサイケ感が漂うかんじは、ある意味最近のヨラテンゴなんかにも通じるような気がしないでもない。考えてみれば同世代ぐらいかな。いずれにしろ、わたしなんかの耳には非常に快く響いて、心静かに聴くことができるアルバムでした。



2004.5.7

Trampin'それなりに音楽系のいろんなサイトを巡回してると、やはりいま一番ホットなトピックは、4日に開催されたいわゆる「CD輸入権問題シンポジウム」だったりするのかな。「何それ?」という方は、とりあえずこのへんあたりからご覧になるとおおまかなところがつかめると思うんだけど、でも、実際にはけっこうややこしいというか、なかなかわかりにくいところがある問題かなという気はする。音楽配信メモの方が配布されてるシンポジウムの動画を見たり、シンポジウムの発起人の一人である高橋健太郎氏のブログを読んだり、それからあとここから少し関連リンクたどってみたり、っていうようなことでずいぶんいろんなことがわかるとは思うんだけど、なぜいまこういうことが起こってるのか、っていうことがいまいちつかみづらいところもある。もちろんシンプルには輸入盤が買いにくくなるのは困るということなんだけど、さらにつっこんだ議論によって、そういうわけのわからない動きが生じてくる構造や背景がクリアになってきたりするといいなぁとか思ったりしないでもない。ただ、シンポジウムなどでも示唆されていたように、この問題の背後に多国籍企業によるグローバリゼイションの問題が透かし見えるのだとすれば、事は洋楽ファンだけの問題にとどまらず、文化=産業にかかわる多くの人にとって無視できないものとなりうるかもしれない、などというふうにもちょっと思った。

Patti Smith『Trampin'』を聴く。4年ぶりの新譜ということなんだけど、力強い演奏が並んでいて、ついつい熱くなる。だいたいにして、「Gandhi」だの「Radio Baghdad」だのといった曲名が並んでいるのを見ただけでも、熱くならずにはいられようか、ってなもんでしょう。ねぇ。



2004.5.4

純音楽一代書けないときは書かない、という方針で基本的にここはやってるわけだけど、そうするとどうしてもこういつまでも放置されたままになってしまうときが出てきてしまうね。ごく自然に思い立って書き始められるといいんだけど。

1日は、某Tさんの結婚披露パーティに出席。数年来、親しくさせていただいてるお二人の晴れ舞台ということで、感慨も一入。知ってる人もわりと多かったし、アフターパーティでは新郎自らのDJなどもあったりして、非常に楽しいお酒が飲めました。あらためて、お二人の末永いお幸せをお祈りいたします。

その日はそのあとランフェールのイヴェントにもちょこっと顔を出して、「仙台の女ニール・ヤング」などと誰かさんが呼んでいる方と、「On The Beach」の話で盛り上がったりする。さすがに酔いがまわってきて眠くなったので、あんまりいられませんでしたが。

えー、そのあとの日々は、とくにゴールデンウィークらしいこととかあんまりしてないね。なんとなくウダウダしたり、本など読んで過ごしております。そんなところかな。うむ。

遠藤賢司の『純音楽一代 ―遠藤賢司厳選名曲集― 』を聴く。デビュー35周年を記念した35曲入りの2枚組ベスト盤で、チェロやフルートがアシッドな雰囲気を奏でるデビューシングル「ほんとだよ」から、現時点の最新作になる2002年の「幾つになっても甘かあネェ!」まで、エンケンさんの“純音楽”の歩みがまとめられたもの。とくに『東京ワッショイ』以降の、得体の知れないパワーを漲らせた演奏がすごい、っていうかもう笑うしかないってかんじっすね。

しかし、なんだか強烈なジャケが続いてしまったなぁ。





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