maco's 13th floor
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2004.7.31

Pass The Distance結局、菊地さんの『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール』はジュンク堂で購入。買った勢いで一気に読了…しようと思ったんだけど、如何せん読むのが遅いほうなので、二回に分けて読む。けっこう既読のテクストもあったけど、まとめて読むとまたちがった面白さもあるし、本の構成の仕方もなかなか面白いと思う。かなり雑多なテクスト群が収められてるんだけど、そのすべてに解説が付いていて、その解説のほうは時間軸に沿って書き進められていくので、それが全体をつなぎ合わせ、一冊の書物として作り上げていく一つの物語のようになっているかんじ。前の『スペインの宇宙食』はどこでも開いたとこから読めばいいかんじだったけど、今度のは一気に読ませるようなつくりになってるわけね。んー、あんまりうまく言えてないけど、そのへんにこの本の面白さがあるように思う。

Simon Finn『Pass The Distance』を聴く。イギリスのシンガー・ソングライター、サイモン・フィンが1970年に発表した幻の名作がついに正規再発!ということでさっそく購入。以前、ブートで出回ってたことがあったので、一応、そのときに聴いたことはあったんだけど、こうしてあらためてきちんと聴き直してみたら、もうバッチリはまってしまった。いわゆるアシッド・フォークの極みというか、虚ろでヨレヨレで、ときに焦燥感のようなものも感じさせる彼のうたと、主にデヴィッド・トゥープによる揺らめきたゆたう陽炎のような音像とが相まって、他に類を見ないほどの儚い美しさを醸し出しているように感じられる。聴き込めば聴き込むほどズブズブとはまっていくようです。



2004.7.25

The Other Half ここ2回ほど、あとから加筆したりしてるので、日付の意味があんまりなくなってるかもしれない。ま、ちゃんとした日記になってるわけでもないので、もともとあんまり意味はないんだけど。

昨日たまたまアエルに行ったので、丸善をのぞいて菊地成孔氏の新しいエッセイ集『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール』を探してみたけど、結局発見できず。まだ入ってきてないのかな。うろうろしてるうちにこんなの見つけてしまった。横尾忠則とか宇野亜喜良なんかのをはじめとして、アングラ演劇の傑作ポスターがばばんと100枚も収録されてて、ぜひとも手元に置いておきたいと思わずにはいられない本なんだけど、うーん、でも、税込5040円はさすがにちょっといまはきびしいかなぁ。かなり大判の本だったりするから、その値段でも決して高いとは言えないのはわかってるんだけど、それでもやっぱり、うーむ、なかなか。

『The Other Half』を聴く。西海岸のガレージ・サイケ・バンド、The Other Halfが1968年に発表した唯一のアルバム。のちにブルーチアーの2代目ギタリストとなるランディー・ホールデンという人が率いた5人組で、このアルバムの後にリリースされたシングル‘Mr Pharmacist’は、80年代にThe Fallというバンドによってカヴァーされたりもしているらしい。ハードロックにもつながるような骨太でノリのいいガレージ・サウンドを聞かせてくれるんだけど、2分台のコンパクトな楽曲のなかにも微妙にひねりが効いていて、なかなか一筋縄ではいかないサイケな感覚も持ち合わせているといった印象。ホールデンのギターはブイブイとぶっといファズ・サウンドを聞かせてくれて、ブルーチアーへの加入も納得といったかんじ。



2004.7.22

Quicksilver Messenger Serviceリンダ・ロンシュタットが、「華氏911」を賞賛したためにショーの途中で会場のホテルから叩き出された、なんていう話がYahooニュースに載ってたなぁ。うーん、これだけあちこちでセンセーショナルな話題を提供する映画ってのもなかなかすごい。なんだかこの映画、ラストシーンでニール・ヤングさんの「Rockin' In The Free World」が流れるらしいとか聞いているので、そういう意味でも気になる。本人がちゃんと映画を見て使用許可を出したとか。えーと、個人的には、あまりにも露骨に政治的プロパガンダであるような映画はちょっと警戒するし、そこにヤングさんのうたが荷担するかたちになるのはちょっと不安がないでもない。ま、実際映画を見てみないとなんとも言えないけど。ともあれ、仙台でも8/21から公開ですか。うーん、やっぱ見なきゃだめかなぁ。はてさて。

さて、バタバタしてたので報告が遅れたけど、「De Qui Nai」の初ライヴは無事終了。ともに斗ったtdsgkさんが当日の模様を詳しく語ってくださってるので、とくに付け加えることもないと思うけど、なかなか面白い時間が過ごせた気がする。20分ぐらいの演奏だったんだけど、ああいうかたちで人前での完全な即興演奏をする機会というのもあんまりないし、お互いに手探りで対話の可能性を模索していくような演奏というのは、なかなか緊張感があって面白かった。出来のほうはまあまああんなもんかなってかんじだったけど、お客さんの反応もあたたかかったので、とりあえずはほっとしたかんじ。関係者の方々にはこの場を借りて感謝の意を表したいと思います。さて、次の機会というのはあるのかしら。

『Quicksilver Messenger Service』を聴く。1960年代後半、西海岸のサイケデリック・ロック・シーンを代表するバンドの一つ、Quicksilver Messenger Sreviceが68年に発表したファースト・アルバム。ゲイリー・ダンカンとジョン・シポリナの二人のギターの絶妙な絡みを核として、入魂のブルーズ・ロックが展開されており、思わず熱くならずにはいられない。シポリナさんのアーミングを駆使した痙攣ギターはほんとにいつ聴いてもゾクゾクするし、ときおり饒舌なプレイを聴かせてくれるゲイリー・ダンカンのギターもなかなか味がある。30分ちょっとのわりとコンパクトなアルバムだけど、細部にわたって非常に聴き応えのある、尽きることない魅力をたたえた名盤だと思う。



2004.7.17

Singles明日7/18は、Neo Brothersにて、tdsgkさんとわたしによる解体的即興デュオ「De Qui Nai」のファーストライヴがあります。19:30ごろからのイヴェントで、われわれの出番は20:30ごろになりそう。チケットは800円だそうです。場所はだいたいこのへんなんですが、これだけだとわかりにくいかな。


The Red Krayola『Singles』を聴く。40年近くにわたり、一貫して尖鋭的かつ脱臼的なへんてこな音楽を飄々とつむぎ出し続けてきたレッド・クレイオラ=メイヨ・トンプソン。その漂白の歴史のなかで発表されてきたシングルを集成した、ファン待望のコンピ盤がこのアルバム。さる方のご好意のおかげなどもあってちょこちょこ持ってる音源も入ってるけど、それでもこういうかたちでまとまるのはやっぱりうれしい。アルバム通して聴くと、ほんとにもう一貫してテッテ的にディコンストラクティヴな音世界を提示していく、真にラディカルなアーティストとしてのメイヨさんの姿が立ち上がってくるかんじで、それはほとんど感動的といってもいいくらい。わたしとしては、もつれながら勢いよく転がっていくようなラフトレ時代前後の音も、ゆるゆると溶け出していくような最近の音も、同じようにカッコよく聴けます。



2004.7.15

Judee Sill昨日(7/14)の夕方くらいに、うちから少し離れたぐらいの馴染みの道を車で走ってたら突然とんでもない渋滞にぶつかったので、いったいなんだろうと思ったら、どうやら極楽湯仙台泉店なるものが新しくできたらしく、そのオープン記念の無料キャンペーンかなんかに向かう車の列だったらしい。いくらタダとはいえ、そんなに人が集まるものなんだなー、ってちょっとびっくり。ま、渋滞してた車が全部そこのお客ではなかったかもしれないけど、でも、けっこうな人が集まってたのは確かだと思う。わたしは全然知らなかったんだけど、どういう情報網であれだけの人が殺到したのかってのは気になるなぁ。そんなにどっかで話題になってたのかしら。はてさて。それと、あそこまで彼らを駆り立てるものはなんだったのか、ってのもちょっと不思議。単なる銭湯じゃなくて「天然温泉」らしいし、気にならないこともないけど、でも、わたしだったらあの渋滞見た瞬間に萎えるけどなぁ。うーむ。

Judee Sill『Judee Sill』を聴く。70年代シンガー・ソングライター・ブームの中心となったアサイラム・レーベルから1971年にリリースされたファーストアルバムだそうで。このへんのものにはまったくもって疎いんだけど、かなり正統派なシンガー・ソングライターものっていう印象。彼女の澄んだ歌声とあたたかみのあるメロディが、すぅーっと心地よく吹き抜けていくかんじというか。たまにはこういうきれいなうたに身を任せるのもいいよね。



2004.7.10

Time Fades Awayプロ野球の再編問題が連日メディアを賑わせてるけど、ファンや選手の声を無視して経営側の思惑だけでどんどん話が進んでいくのは、やっぱりどうかと思う。すごく月並みな意見だとは思うけど、やっぱりまずはファンありきでしょ。実際に球場に足を運んだりして応援する人たちの存在なくしてはそもそも野球界自体が成り立たなくなるわけだから、そういう人たちを萎えさせるようなことはかえって自分たちの首を絞めることにしかならないように思う。また、そういったファンをひきつけられるかどうかは選手達の働き如何にかかってるわけで、選手達の士気が下げるようなことってのも同じようにマイナスだろうと思う。結果としてどういうかたちになるのが最善なのかはもちろん誰にもわからないとは思うけど、球界全体の活性化のためにはどういうことが必要かっていうのは、この機会にもっともっと広範に議論されてしかるべきなんじゃないかと思いますわ。とりあえず。

Neil Young『Time Fades Away』を聴く。1973年に発表された、ソロとしてははじめてのライヴアルバムなんだけど、収録曲はすべてそれまでに発表されてない新曲ばかりだから、一応『Harvest』につづく5枚目のオリジナルアルバムということになる。でも、そんなに目立つかんじの曲がなかったり、ニールさんのヴォーカルが調子っぱずれでヨレヨレだったりもすることもあって、あんまり評価されなかったみたい。さらに、ニールさん自身、精神状態が最悪だった時期らしいことなんかもあってか、結局いまだにCD化されてないアルバム2枚のうちの一枚となってるのが現状。ただ、わたしなんかのような一部のニールヤング・ジャンキーな人たちにとっては、ちょっと痛々しさを帯びたようなざらついた独特の感触が、逆にひどく魅力的に聴こえてしまったりもする。とくに、悲痛な叫びの響く「Don't Be Denied」、哀切な美しさを湛えた「The Bridge」、激しく叩きつける「Last Dance」と並ぶB面には心揺さぶられるものがある。ま、確かにニールさんのキャリアのなかでもそんなに特筆すべき作品とは言い難いけど、でも、いまだにCD化されてないってのはちょっとかわいそうな気もしないでもない。



2004.7.08

You Used to ThinktdsgkさんのNag Nag Nagにも告知が出ているのですが、7/18(日)にNeo Brotherzにて「De Qui Nai」というユニットでライヴをします。ドラムとギターのみによるインプロヴィゼイションなので、どうなることやらさっぱりわかりませんが、もしよかったら見にきてやってください。infoのほうも更新しておきましたが、じつはイヴェントの詳細をよく把握してません。19時ぐらいからはじまって、チケットは1000円ぐらい、のような、気がします…。

Erica Pomerance『You Used to Think』を聴く。1968年にESPから発表されたエリカ・ポメランス唯一のアルバム。アコギとパーカッションを主体にした演奏は、ときにシタールやサックスなどをからめつつ、独特のつんのめるようなプリミティヴで呪術的なグルーヴを醸し出していて、その上を跳ね回るエリカの伸縮自在のヴォーカルとあいまって、絶妙にアシッドな空間を幻出させている。なんというか、聴いていてだんだん熱に浮かされてくるような、そんな不思議な感覚に囚われてくるというか、とにかく、すごく強烈な魅力をもった異形の名盤なのだと言ってみたい気がする。



2004.7.05

tago-magoふー。とりあえず、ひとつヤマを越えて、ちょっと一息。まぁ、いまの時点ではなんにも片付いたわけではないけど、自分にできることはひとまずやってしまったので、あとは今後のなりゆきにまかせるしかない。うむ。

いつのまにか、『ユリイカ』を毎月とりあえず手にはとってみるようになっているけれども、今月号の特集は楳図かずおなのね。店頭でパラパラめくっただけだけど、1958年に発表された「お百度少女」という単行本未収録作品の複刻があったり、年譜や作品目録があったりするので、資料的にけっこう使えるかんじなのかもしれない。くわしくないのでなんともいえないけど、とりあえず。ちなみに、まだいつなのかわかんないけど、『ユリイカ』には「はっぴいえんど特集」の企画もあるとか小耳にはさんだので、それもちょっと楽しみかな。

Can『tago-mago』を聴く。ジャーマン・ロックを代表する名盤の1枚で、わたしもすごく好きなアルバム。ドタバタいう反復的なドラムを土台にした空間構成が素晴らしいと思うし、ダモ鈴木のエキセントリックなパフォーマンスも圧巻。デタラメっぽい英語で歌ってたかと思うと突然「虹の上から小便〜」なんて奇矯な日本語が飛び出したりする「Oh Yeah」とか、深いエコーの中で即興っぽい演奏が飛び交う「Aumgn」あたりが、個人的にはとくに好きだ。





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